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令和6年度 大学院入学式 学長告辞

2024年4月4日更新

卒業式

告辞に先立ちまして、令和6年能登半島地震により被災された皆様、ご関係の方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

新入生の皆さん、ご入学まことにおめでとうございます。お茶の水女子大学の教職員を代表し、心からお祝いを申し上げます。これまで皆さんを支えてこられたご家族、ご関係の皆様にも謹んでお慶びを申し上げます。

今年度は、コロナ禍以前の方式に戻し、入学式を執り行う運びとなりました。これまで皆さんの学びや生活を励まし、支えてくださったご家族の皆様にも会場にお越しいただき、こうして盛大に入学式を挙行できますこと、大変嬉しく思います。なお、会場にいらっしゃれなかったご関係の方々のために後ほど式典の様子を限定配信する予定です。

4年前に起こった皇冠体育,皇冠体育app感染症のパンデミックは、皆さんの学生生活や研究、課外活動などに、さぞ大きな影響を与えたことと思います。試練を乗り越え、晴れて本学大学院への入学を果たされた皆さんに心より敬意と祝意を表したいと思います。入学後も皆さんお一人おひとりが、心身ともに、健康で充実した学生生活を送ってくださるよう願っています。

お茶の水女子大学は、未だ女性の社会進出が困難であった時代、明治8年、1875年に女性のための日本初の高等教育機関「東京女子師範学校」として設立されました。その後、教育制度の変遷にともなって、女子高等師範学校、東京女子高等師範学校などとして、日本の女子教育を先導してまいりました。第二次世界大戦後の昭和24年、1949年には、新制大学「お茶の水女子大学」となり、それ以来、高度な研究?教育を担う国立の女子大学としての歩みを続け、1976年には人間文化研究科(博士課程)が設置され、1年半後の2025年11月には創立150周年を迎えます。そのような伝統と歴史を背景に、お茶の水女子大学は国立の女子大学として、リーダーシップを発揮できる女性、グローバルに活躍できる女性リーダーの育成を使命としています。

大学院では、様々な領域における最先端の専門を深めることは勿論ですが、同時に、分野横断的な視点に立って時代をリードし、また、豊かな感性をもって世界の未来を創出する女性たちの育成に取り組んでいます。加えて、女性のライフコースを視野に入れ、少人数教育によって学生の皆さん一人ひとりの力を伸ばし、本学の使命である女性リーダーの誕生を支援しています。たとえば、前期課程での高い専門性を活かすための就業力育成を目的としたキャリア副専攻、後期課程での企業関係者と自由に情報交換できる場の提供、また博士課程修了後の研究員制度など、学生の皆さんの多様なキャリアパスの充実を図り、高度専門職業人として社会で活躍することを目指したサポート体制の充実に取り組んでいます。

世界は今、気候変動とそれに伴う大規模災害、人口?食糧問題、感染症との闘い、さらには格差の拡大と貧困などのグローバルな課題に直面しています。それらの課題の解決のためには、女性の知性、想像力、未来へのグローバルな視点からのビジョンが必要とされています。

皆さんには、学術研究の最高レベルである大学院において、研究のプロフェッショナルであることを自覚し、本学での学びをとおして、ご自身の専門分野だけでなく広い視野に立ち、持続可能でウェルビーイングな社会の実現に貢献していただきたいと思っています。本学大学院の修了生は、多種多様な組織?機関に就職し、それぞれの場で周囲からの信頼と共感を集め、後輩たちに道を拓いてくれています。皆さんにもぜひ本学大学院での学びと自己研鑽を経て、そのような先輩たちに続いてくださることを願っています。

お茶の水女子大学は少人数制で先生方や職員の皆さんとの距離が近い大学です。分からないことや心配なことがあったら遠慮なく相談をしてください。また教室や研究室だけでなく、「スチューデントコモンズ」や「音羽館」といった学生のための施設を大いに活用し、キャンパスの様々な場所での交流をとおして、大学時代に豊かな人間関係を築いてくださるよう願っています。

そして、本学の同窓会組織である『桜蔭会』も皆さんの心強い応援団です。『桜蔭会』は大学に隣接する国際交流留学生プラザ内にあり、奨学金やコロナ禍での修学支援金など 様々な形で皆さんの在学中の学びを支え応援してくださっています。皆さんにもぜひ桜蔭会員としてお茶の水女子大学の歴史をつなぐ一人となり、大学とともに歩んでいただきたいと思います。桜蔭会とともに保護者の皆さまと教職員で構成される後援会も皆さんの大学生活を温かく見守ってくださる大切なサポーターです。保護者の皆さまにおかれましてはぜひ後援会に入会していただき、学生たちを励まし支援してくださいますようお願い申し上げます。

お茶の水女子大学は世界の人々と連携し、文化の多様性を理解し、違いを認め合い、互いを尊重し、協働して平和な世界を作り上げていくことを目指しています。「学ぶ意欲のあるすべての女性の真摯な夢の実現の場として存在する」というミッションを掲げ、国籍や年齢を問わず、世界中の女性たちの成長や資質能力の開発を支援する活動を続けています。皆さんには、期待を胸に今ここに仲間と集えた幸せとともに、一方で未だ自由に学ぶことさえできない女性たちがいること、さらには戦火にさらされている弱い立場の人たちがいるという現実にも思いをいたし、私たちが世界の平和のために何ができるのかを、ともに考えていっていただきたいと思います。

お茶の水女子大学は、国内外で活躍する多くの優れた女性人材を輩出してきた伝統を誇りとしていますが、成功体験に甘んじることなく、時代と社会のニーズに合わせて変革を推進し続けていきたいと思っています。

お茶の水女子大学の校歌では

みがかずば たまもかがみもなにかせん
学びの道もかくこそありけれ

と歌われています。

この歌は、女子教育の振興や数々の社会事業に取り組まれ、多大な功績を残されたことで知られている明治天皇の皇后、昭憲皇太后によって東京女子師範学校創立に際してご下賜され、今もお茶の水女子大学の校歌として受け継がれています。

磨く事をしなければ、玉といい鏡といっても一体何になるでしょう、磨かれて初めて、美しく光り輝く価値ある宝石となるのであってそれは学問の道も同じである、と学ぶことの大切さを説くとても素敵な校歌です。

この校歌にもあるように、ご自身の専門分野の学問を深めエキスパートになり、さらに広く異分野にも関心を持ち自分自身を磨いていただきたいと思います。
社会は今、皆さんの目指すイノベーション、新しい価値を創造することのできる高度専門女性人材を強く求めています。大学は、全力をあげて、皆さんの努力を後押しすることを約束します。そして新しくお迎えした皆さんとともに、お茶の水女子大学もまた、SDGsを志向し「誰一人取り残さず、一人ひとりの多様な幸せ(well-being ウェルビーイング)を実現できる社会」の構築に資するよう貢献してまいりたいと決意を新たにしています。

皆さんのこれからの実り多い大学生活を心からお祈りしています。
本日は、ご入学まことにおめでとうございます。

令和6年4月4日
お茶の水女子大学長
佐々木 泰子